人に勧められた小説を読むということに妙な抵抗を感じております。"読んでしまったら負け"という強迫観念に包まれていることもあります。何故そうなるのか。
勧められた本が面白かった時
人から勧められた小説が面白かったら、悔しいのです。自分がその小説の魅力に墜ちてしまったということは勧めてくれた人の感性に同調したということであり、そのことが勧めてくれた人に対して敗北感を抱かせてしまうのです。
いや、勝ち負けの問題じゃないとか言われそうですけども。敗北感というよりは純粋に悔しいといった方がいいのかもしれません。
勧められた本がつまらなかった時
本そのものへの評価と共に勧めてくれた人の評価が落ちます。そんなオーバーなと言われるでしょうが、勧めるという行為はその人そのものの感性を曝け出すということですから、何故こんなものを面白いと感じたのかという方向へも繋がっていきます。人それぞれに好き嫌いがありますから、そんな考え方そのものがおかしいと言われればそれまでですが、そこに相容れないものを感じるのも事実です。
勧められた本に対して何の感想も抱けなかった時
これが一番避けたい事柄。勧められて読んだのに無関心で終わってしまう、そんな自分を自己嫌悪すると同時に、如何顔向けしていいのか分からなくなるのです。無理矢理感想を探すなんてことも作為的というか、その行為そのものが気悪いのです。何か意図を持ってそういう行為に及ぶのならともかくとして。
なんていうか、あまのじゃくって言われたのが分からなくもないなぁ……。なんというか、偏屈してるよなぁ、我ながら。
ちなみに"流行りが嫌い"というのにも繋がる感覚です。